「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ |
「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ。グズグズしてた愚兄も悪い。それに元凶は。」
「木戸様。」
「桂様。」
三津は何一つ悪くないからとみんなが口を揃えた。Botox瘦面
でも三津はみんなに元凶と言わせてしまうほど,桂の心象を悪くしてしまったのは自分だと思い申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「ホンマに全然実感ないし,私はどうすればいいんか最善策も浮かばへんけど……でもみんなとここに居れた事は私にとって有意義やったから,楽しい気持ちをいっぱいにして明日ここを発ちたいです。」
今は難しいことは忘れて,ただこの時間を楽しみたい。
「そうやね,三津さんは笑っとるのが一番やもんね。一之助さん,三津さんが面白い話してって言っとる。何かない?」
「文ちゃん無茶言うにも程がある。三津さんがいつ俺に笑わせて欲しいって言うたんよ。面白い話なら塾生時代の高杉さんが一番逸話あるやろが。」
「えっ何それ聞きたい。向こう帰って高杉さんに有効な弱み欲しいです。」
三津も聞きたい聞きたいと目を輝かせたので,要望に応えて文は塾生時代の話を披露する事にした。塾生時代の奴らの話は大体ろくでもない物ばかりだ。
極端で過激だと言われた兄,松陰の教え子とあってそれに追随する彼らは個性豊かな変わり者ばかりだ。
そんな奴らの話なら尽きないが,文はふとした疑問を三津に投げた。
「そう言えば三津さんは高杉さんに奥さんおるの知っとる?萩一の美人なんやけど。」
文の何気ない質問に三津はあんぐりと口を開けた。
「は!?知らない!!聞いてない!!だってあの人京に来た時に嫁に来いって追っかけ回して来たんですけど!?
え!?奥さん居るのに私に子供産めって言ってたんですか!?クズにも程がある!!」
三津はこれは帰ったらただじゃおかんと怒りに震えた。
「馬鹿やけぇ自分が結婚しとる事忘れとった可能性あるけどね。大体投獄されとるかどっかで何かやらかしとる奴やけぇ。」
それにはすみも有り得る!とけたけた笑った。
一之助が流石にそれはないやろと言うも,高杉は常識を逸脱してるから一般人の普通は当てはまらんと言われて妙に納得した。
「この話聞くと一之助さんが如何に普通かが分かりますね。」
三津はしみじみと言うが,普通と言われるのも何の取り柄もない印象にも残り難い影の薄い奴と言われてる気がする。
「ええんか悪いんか分からんな……普通って。」
一之助は肩を落とすが三津は良い意味です!と力強く言った。
「だって私は平穏を求めてたんですよ。毎日仕事してご飯食べて寝て起きて。それを繰り返すだけでも幸せなんです。好きな人と一緒なら。」
何の変哲もない毎日が送れるならそれでいい。貧しかろうがそんな事はかまわない。
「やったらやっぱ一之助さんと逃げたら?」
平穏を求めるなら普通な人と一緒の方がいいとすみは言うが,
「すみちゃん逃げる時点で平穏やない。多分桂様は地獄の果てまで追いかけて来るで。」
そんな恐ろしい生活嫌だと真顔で答えた。
「地獄の果て……確かに。」
三津は想像出来ると笑った。そんな恐怖に怯える生活を一之助に強いるなんて出来ない。
「しつこい男は嫌われるって誰か教えてあげんかったんかねぇ?」
「木戸様は追っかけんでも女が勝手に寄ってくるから追っかけた事ないそっちゃ。やけん自分が追いかけとる今,距離感分かっとらんそ。
干渉して束縛しとるとも思っとらんかもな。自分だけを見て欲しくて必死な感じしたわ。」
文は三津と過ごす時の桂を知らないすみに必死な姿を見せてやりたいと喉を鳴らして笑った。
「そしたら次は私が阿弥陀寺行くわ。一之助さん一緒に行こ。」
「やけん俺を巻き込むな。」「別に愚兄に謝る必要はないっちゃ。グズグズしてた愚兄も悪い。それに元凶は。」
「木戸様。」
「桂様。」
三津は何一つ悪くないからとみんなが口を揃えた。
でも三津はみんなに元凶と言わせてしまうほど,桂の心象を悪くしてしまったのは自分だと思い申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「ホンマに全然実感ないし,私はどうすればいいんか最善策も浮かばへんけど……でもみんなとここに居れた事は私にとって有意義やったから,楽しい気持ちをいっぱいにして明日ここを発ちたいです。」
今は難しいことは忘れて,ただこの時間を楽しみたい。
「そうやね,三津さんは笑っとるのが一番やもんね。一之助さん,三津さんが面白い話してって言っとる。何かない?」
「文ちゃん無茶言うにも程がある。三津さんがいつ俺に笑わせて欲しいって言うたんよ。面白い話なら塾生時代の高杉さんが一番逸話あるやろが。」
「えっ何それ聞きたい。向こう帰って高杉さんに有効な弱み欲しいです。」
三津も聞きたい聞きたいと目を輝かせたので,要望に応えて文は塾生時代の話を披露する事にした。塾生時代の奴らの話は大体ろくでもない物ばかりだ。
極端で過激だと言われた兄,松陰の教え子とあってそれに追随する彼らは個性豊かな変わり者ばかりだ。
そんな奴らの話なら尽きないが,文はふとした疑問を三津に投げた。
「そう言えば三津さんは高杉さんに奥さんおるの知っとる?萩一の美人なんやけど。」
文の何気ない質問に三津はあんぐりと口を開けた。
「は!?知らない!!聞いてない!!だってあの人京に来た時に嫁に来いって追っかけ回して来たんですけど!?
え!?奥さん居るのに私に子供産めって言ってたんですか!?クズにも程がある!!」
三津はこれは帰ったらただじゃおかんと怒りに震えた。
「馬鹿やけぇ自分が結婚しとる事忘れとった可能性あるけどね。大体投獄されとるかどっかで何かやらかしとる奴やけぇ。」
それにはすみも有り得る!とけたけた笑った。
一之助が流石にそれはないやろと言うも,高杉は常識を逸脱してるから一般人の普通は当てはまらんと言われて妙に納得した。
「この話聞くと一之助さんが如何に普通かが分かりますね。」
三津はしみじみと言うが,普通と言われるのも何の取り柄もない印象にも残り難い影の薄い奴と言われてる気がする。
「ええんか悪いんか分からんな……普通って。」
一之助は肩を落とすが三津は良い意味です!と力強く言った。
「だって私は平穏を求めてたんですよ。毎日仕事してご飯食べて寝て起きて。それを繰り返すだけでも幸せなんです。好きな人と一緒なら。」
何の変哲もない毎日が送れるならそれでいい。貧しかろうがそんな事はかまわない。
「やったらやっぱ一之助さんと逃げたら?」
平穏を求めるなら普通な人と一緒の方がいいとすみは言うが,
「すみちゃん逃げる時点で平穏やない。多分桂様は地獄の果てまで追いかけて来るで。」
そんな恐ろしい生活嫌だと真顔で答えた。
「地獄の果て……確かに。」
三津は想像出来ると笑った。そんな恐怖に怯える生活を一之助に強いるなんて出来ない。
「しつこい男は嫌われるって誰か教えてあげんかったんかねぇ?」
「木戸様は追っかけんでも女が勝手に寄ってくるから追っかけた事ないそっちゃ。やけん自分が追いかけとる今,距離感分かっとらんそ。
干渉して束縛しとるとも思っとらんかもな。自分だけを見て欲しくて必死な感じしたわ。」
文は三津と過ごす時の桂を知らないすみに必死な姿を見せてやりたいと喉を鳴らして笑った。
「そしたら次は私が阿弥陀寺行くわ。一之助さん一緒に行こ。」
「やけん俺を巻き込むな。」
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